運動器エコー
超音波診断装置(エコー)
骨や関節,筋,腱といった運動器が観察できる検査機器です。
従来,エコー検査は,内科領域,産婦人科領域を主として活用されてきました。
しかし,近年の急速な画像処理能力の発展により,MRIの分解能をも凌駕するほどの高機能エコー機器となり,骨や関節,筋,腱,靱帯までもより鮮明に描出されるようになりました。
それにともない整形外科領域でのエコーの有用性があらためて見直されてきています。
もちろん,レントゲン,MRIといった画像診断はもちろん不可欠な存在であることに変わりはありませんが,これら他の検査法と比較して以下のような利点も多くあります。
■レントゲン撮影のように放射線を浴びることの無く,安全。
■人体に無害な為,繰り返し観察できる。
■レントゲンには写らない軟部組織(筋・腱・靭帯)が観察できる。
■肉離れ等の筋損傷については,MRIより分解能に優れている。
■生体組織に影響ない為,妊婦の方にも使用できる。
■リアルタイムに観察できる。
■コストパフォーマンスに優れている。
また,エコー検査には,骨の深層はみることが出来ない,操作および読影に熟達が必要。というデメリットもあります。
しかし,操作および読影に熟達が必要という面では,臨床運動器系超音波技師である当院では,安心して受療していただけるものと考えています。
当院では臨床運動器系超音波技師{日本超音波骨軟組織学会認定(岐阜県初)}が超音波観察装置(エコー)を駆使し、EBM(科学的根拠)に沿った治療を行っております。
今まで骨や筋・靱帯などの運動器疾患において,画像検査のFirst Choiceはレントゲン検査でした。
もちろん骨折等,外傷の診断にレントゲン検査は欠かせないものですが,その前検査として超音波検査を行うことで,状態をより正確に判断できるようになりました(中には,レントゲンに写らないような骨折線や骨傷が,エコー検査によって,画像として描出される場合もあります。)。
それにより,必要であれば専門医を紹介することもスムーズに行えるようになります。
従来からの,”経験則によるもの”のみでなく,EBM(根拠に基づいた医療)に則った施術を行う上で,画像診断における情報は非常に重要であります。
適応は,骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷等の外傷や,スポーツ外傷などの痛みに対する検査であり,特にレントゲンでは観察できない筋・腱損傷(肉離れ・腱断裂等)に対しては,高い精度で組織の状態を観察することができます。
また,最近ではレントゲンなどのように静止画像の評価だけではなく,局所を動かして機能的な問題を検査することが出来るという点でも注目されています。
組織を観察しその状態を把握するということは,適切な処置や以後の施術方針の決定には必要不可欠であり,何よりも患者さん自身が納得し,施術を受けていただけることに繋がると考えています。
RUSI
Rehabilitative ultrasound imagingの略で、超音波診断装置(以下、エコー)を手技療法や運動療法の評価や効果検証などに用い施術を行うことです。特に当院でも以前より用いている体幹筋のバイオフィードバック療法でのRUSIの有効性は多く報告されています。
エコーは骨折の有無など、運動器の器質的変化を判断するのみでなく、近年ではその動的観察を活かした組織の機能的な異常の評価や治療を行うRUSIに注目されています。
当院でもエコーを用いたRUSIは当初より積極的に取り入れており、前述の体幹筋のバイオフィードバック療法はもとより、筋や腱の滑走性の回復などevidenceに基づいた施術がRUSIにより可能となり、その方の状態の正確な把握と症状の早期回復が見込めます。
症例(医療機関で確定診断済)
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