成長期の肘スポーツ障害

野球肩 野球肘

 岐阜市民病院のフォーラムに参加してまいりました。

成長期の肘スポーツ障害(野球肘)   岐阜市民病院 整形外科 杉谷繁樹先生
 ●投球フォームについて

 ・痛みのある子は内反トルクが高い
・アクセラレーション期、左股関節上に右肩関節がある
・肩外旋可動域の低下により肘に負担がかかりやすい
・真下投げー有用
・キャッチャーまで届かない子は遠投様フォームになりやすいため、届く距離より下へ向かって投げさせるべき

 ●病態および治療方針について

 ・身体所見は圧痛の有無、場所が重要
・内側型が圧倒的に多い
・障害側肘、X-Pにて骨端核が長くなる傾向がある
・外側型{離断性骨軟骨炎(OCD)}発生率は1~2%
・OCDー股関節内旋、体幹前屈等の可動域低下も発生要因となるという報告もある
・内側型ー保存療法が主。障害の程度により投球制限。投球開始時期は圧痛無くなりしだい塁間をワンバウンドで50%強度から、平均2~3ヶ月かかることが多い。
・ICRS分類*、Ⅰ・Ⅱstageでは骨釘移植、Ⅲ・ⅣstageではMosaicplastyが有効
・OCDー安定型か不安定型かが問題

 以上。

 なかでも、股関節内旋可動域の低下や体幹筋力の低下によるキネマティックチェーン(運動連鎖)の破綻がOCDに限らず、投球障害発症に大いに関係しているといわれています。投球障害の場合、肘・肩といった局所のみでなく股関節を含めた体幹および投球フォームを診ていくことは必要不可欠なことであり注目です。
 (余談になりますが、その一環として当院では「ジュニアのための体幹トレーニング教室」を計画しております。この後のブログにてUp予定。ご興味のあるかたはお気軽にお尋ね下さい。)

 また、野球肘(特にOCDの早期発見)に対してエコーの有用性が近年注目されていますが、OCDの不安定性の判断に対して高名な整形外科の先生方より、同じ柔道整復師である吉村接骨院の吉村真司先生にエコーの利点の1つである動的観察に対する質問が及ぶなど、エコーの運動器(筋・靭帯・骨)に対する使用の関心も高まっていることを感じました。

 *ICRS(International Cartilage Repair Society)の関節鏡分類
StageⅠ 特に所見のないもの
StageⅡ 軟骨に亀裂があるが、病変部は安定しているもの
StageⅢ 骨片が部分的に剥がれたもの
StageⅣ 骨片が完全に離れて遊離しているもの

 

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