ジョーンズ(Jones)骨折治療と当院のアプローチ 難治性骨折を防ぐためには

ジョーンズ骨折

執筆者:

 

『ジョーンズ骨折』

 

 

 

 あまり聞かない骨折名かもしれませんが、スポーツ選手に起こりやすいケガの一つにジョーンズ骨折があります。

 

 

ジョーンズ骨折は、足の甲の小指側(第五中足骨の基部)に繰り返し力がかかり、ダメージが蓄積されることで疲労骨折が起こります。

 

 

また捻挫のように足首を捻った際にも起こるケガです。

 

 

ジョーンズ骨折

 

 

 

 特にサッカー選手に多いケガで最初は捻挫しただけと思って放置していたが、内出血や腫れが引かず病院でレントゲンを撮ってみたら骨折していたというのはよく聞く話です。

ジョーンズ骨折は骨折した場所や程度、最初の処置が遅れた場合などは手術となる場合もあるため、完全に骨折する前の疲労骨折状態で発見することがとても大切になります。  

 

 

 また体が硬い選手(特に股関節の内旋)はジョーンズ骨折のリスクが高くなることや、足に合っていないシューズを着用している選手(Bladeタイプのスパイク)、グランドが人工芝の場合などはジョーンズ骨折のリスクが上がるというデータもあります。⁽¹⁾

 

 

ジョーンズ骨折

 

 

 骨折が起こる前に防ぐことが可能な場合もあるため、股関節の柔軟性の確保や超音波エコーで足の状態を定期的にチェックすることが有効です。

 

 

 

 

 当院でもバスケットの試合中に着地した際、相手の足の上に乗ってしまい足首を捻ったとのことで来院された方が見えました。

 

 

捻挫の痛みとは違う感じがするとのことで超音波エコーで確認してみると骨折が疑われたため医師へ紹介し、ジョーンズ骨折の診断でした。

 

 

ジョーンズ骨

 

 

 

 

 骨折場所によりZONEⅠ、Ⅱ、Ⅲと分類され、その中でもⅡとⅢをまとめてジョーンズ骨折といいます。

 ZONEⅡでの骨折は一回の外力で骨折することが多く、ZONEⅢでの骨折は繰り返しのストレスにより疲労性骨折を起こすことが多いです。

 

 

このZONEⅡ、Ⅲの場所の骨折は難治性であり、再骨折や骨癒合が得られないこともあるため基本的には手術によりワイヤーやスクリュー固定を行います。

 

 

しかし手術をしてリハビリを行い、満足にプレーできるようになるまで数か月かかってしまいます。

 

 

 当院で治療を行ったバスケットボール選手は、国体の試合が迫っていたため、再発の可能性をお伝えしたうえで手術はせず当院での治療を選択されました。

 

 

エコーで骨の癒合の経過を辿りながら、超音波治療(LIPUS)、酸素カプセルを行うとともに、ショックマスターによる体外衝撃波での治療を行い、試合までに復帰することができました。

 

 

 

 

 ⦅ショックマスター⦆

 

 

ジョーンズ骨折 </p>

<p>ジョーンズ骨折

 

 

⦅LIPUS⦆

 

 

ジョーンズ骨折

 

 

 

⦅酸素カプセル⦆

 

ジョーンズ骨折

受傷時  

〈6/26〉

 

ジョーンズ骨折

 

 

約一か月後

 

ジョーンズ骨折

 

 

仮骨が形成されています。

 

 

2か月後

 

ジョーンズ骨折

 

 

 骨癒合した様子が見られ、ドップラーの反応が残存しており治癒過程であることがわかります。

ドップラーの反応は圧痛と一致しておらず、このまま新生血管が残存することもあります。

 

 

  再発の可能性があるケガのため、超音波エコーで骨折部を定期的にチェックしながら現在も問題なくプレーされています。

当初の目的であった国体には間に合ったものの、残念ながら新型コロナウイルスの蔓延防止措置のため中止となってしまいました…  

 

 

 

 

 ご紹介したバスケットボール選手は手術をするか、保存療法で治すか迷われていましたが、手術をすると日程的にパフォーマンスが国体に間に合わない可能性が高いとご本人が判断され、当院での保存療法に一縷の望みを持って賭けました。

 

 

今回の例のようにショックマスターやLIPUSは早期回復への可能性を秘めたアプローチができ、保存療法で復帰を目指すことも選択肢の一つとなります。

 

 

当院では選手の状況や試合日程などを考慮し、できる限り要望に応えられるようにしております。  

 

 

 少しでも早期に回復したい方や、難治性の骨折でお悩みの方は一度ヤマモト整骨院へご相談ください。

 

 

 【参考文献】 ⁽¹⁾Miyamori T, Nagao M, Sawa R, et al. Playing football on artificial turf as a risk factor for fifth metatarsal stress fracture: a retrospective cohort study. BMJ Open 2019;9:e022864. doi:10.1136/ bmjopen-2018-022864

 

 

腰痛

 

 

●当院の施術を受ける前、どんな症状に悩んでいましたか?

骨折(第5中足骨)

6/28に受傷し、8/21の大会に出場する為には手術では間に合わない状況だった。

 

●施術を受けてみてどうでしたか?

・超音波治療(週5) ・体外衝撃波(週1)

・酸素カプセル(隔週)

非常に治りが早かった。体外衝撃波は強い痛みを伴うが効果は高く、1ケ月ほどでジョギングを再開できた。 手術では不可能だった大会の参加が可能な状態となった。

 

●もし施術を受けていなかったら、今頃はどんな生活を送っていたと思いますか?

競技復帰が遅れ、3ヵ月~5か月の時間が必要だったと思う。

保存治療は経過に注意する必要があると思うが、今回の治療はベストだったと個人的に思う。

 

●お悩みの方へ、一言お願いします。

第5中足骨骨折された方にはぜひ受けてほしい治療と思いました。短期で復帰できました。 ただ再発の可能性が高い骨折なので長い目で焦らないことが一番だと思いました。

 

 

 

 

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