日本超音波骨軟組織学会(JSBM)
0/13,14と大阪で行われた日本超音波骨軟組織学会に行ってきました。
13日は中級セミナー修了者を対象にしたフォローアップセミナー。
実技を中心に症例や描出法に対するディスカッションも行われ、中でもAR-Ex整形外科グループPTの小林久文
先生のMRIとエコー画像との比較など、非常に中身の濃い、充実した内容で、夜9:00過ぎまで開催されました。
2日目、14日は学術総会(全国大会)が開催されました。
プログラム
9:00~受付開始
9:45~開会挨拶 田中 和夫 副会長・理事
9:50~会長挨拶 山田 直樹 学会会長
【研究発表第1部】 座長:大原 康宏、澤田 規
10:00~「脛骨疲労骨折におけるドップラーモードの有用性」
長野整形外科クリニック 小林 久文(長野県)
「バイオフィードバックとしての超音波観察装置の有用性」
ヤマモト整骨院 山本 幸治(岐阜県)
「肩関節滑液包炎の一症例」
むさしの整骨院 新井 達也(埼玉県)
「肩関節症例報告 体表観察による客観的評価と超音波画像」
学大西口モアレ整骨院 圓川 勇(東京都)
【基調講演 1】 座長:山田 直樹、渡辺 正哉
11:10~「運動器の血管内治療
~血管を減らすことで痛みを和らげる、全く新しい治療法~」
江戸川病院 整形外科 慶応義塾大学医学 部総合医科学研究センター 奥野 祐次 先生
12:10~休憩、昼食 ー理事会・評議員会開催(8階多目的ホール2)ー
【基調講演2】
座長:竹市 勝、澤田 規
13:10~「骨格筋の可塑性 :個人差と部位差に着目して」
早稲田大学スポーツ科学学術院 若原 卓 先生
【研究発表第2部】 座長:金田 晋、寺原 雅典
14:20~「超音波画像とX-ray画像の比較検討~ヘバーデン結節の一症例」
平川鍼灸整骨院 平川 敬史(長崎県)
「長距離ランナーの疲労骨折 ―超音波観察が有効であった2症例―」
おくやま整骨院 前田 尚利(大阪府)、奥山 建志(大阪府) 森ノ宮医療大学 澤田 規(京都府)
「超音波観察が有用であった踵骨骨折の治療」
おくやま整骨院 奥山 建志(大阪府)、原口 卓人(大阪府) 森ノ宮医療大学 澤田 規(京都府)
15:15~優秀発表(最優秀賞、優秀賞の表彰)
国士舘大学 竹市 勝(学会理事・諮問委員)
15:30~閉会の辞、連絡事項
早稲田大学 川上 泰雄(学会副会長・理事)
【基調講演1】
「運動器の血管内治療~血管を減らすことで痛みを和らげる、全く新しい治療法~」の奥野先生は、natureに研究論文が掲載されるなど、今大活躍されている先生です。
損傷をして、痛みがなかなか引かない組織には、悪い血管新生が起こっている可能性がある。
その悪い新生血管にカテーテルを通して、チエナムという薬剤で詰まらせてしまえば痛みは消失する。という治療を行っておられます。
そして、この「血流を遮断させることで痛みを改善させる」治療法は、まだ多くの方が知らないことであるが、10年後には当たり前になっているかもしれません。
ポイント
・血管には良い血管と悪い血管がある。
・腱や付着部、軟骨には血管がないのが正常。
・元々ある血管ではなく、新しくできた血管をターゲットとする。
・そもそも腱、靭帯、軟骨には血管を寄せ付けないようになっているが、炎症や損傷で血管が侵入する。
・エコーで見える血流反応はシャント(交通枝)した血管?
・痛みを出している血管は細い血管。エコー(Dモード)で見えない可能性もある。
・長期の圧痛があるということは、病的な血管が増えている。
・血管が増えているにも関わらず、シャントによって組織は低酸素状態になっている。
・そもそも生まれながらにしてある血管は詰まりにくい。詰まっても戻りやすい。しかし悪い新生血管は詰まりやすい。
治療対象
・圧痛がある。
・手術をしたくない場合。
【基調講演2】
「骨格筋の可塑性 :個人差と部位差に着目して」
早稲田大学スポーツ科学学術院 若原 卓 先生
残念ながら、お昼の評議委員会が長引き、途中からしか聞けませんでした。
筋により可塑性がある。
・上腕三頭筋は太くなりやすい
・腓腹筋は太くなりにくい
・筋線維組成と日常生活での筋活動は関連している。
・レジスタンストレーニングによる筋線維の肥大は、速筋線維の方が顕著である。
・いわゆる下腿や大腿などの抗重力筋より上腕の筋の方が速筋線維を多く含み筋肥大しやすい。
・同一筋内でもトレーニング様式により肥大率の部位差が生じる。
・高強度運動後に主働筋のT2が増加する。
・運動後のT2増加は筋活動の程度を表す指標となる。
・単関節運動では、二関節筋のT2増加が著しく、多関節運動では二関節筋のT2増加が低い。
基調講演2題は、いずれもとても興味のある分野で、大変勉強になりました。
そんな中、稚拙ながら、私も研究発表をさせていただき、おかげさまで下記の賞をいただくことができました。
しかし、同時に研究手法や統計的処理の甘さなど、課題も多く頂きました。
また学会理事である早稲田大学大学院の川上泰雄先生や、国士舘大学の竹市勝先生に色々とお話を伺うことができ、とても勉強になりました。感謝で一杯です。ありがとうございました。
ブログ・目次
- 腰痛(6)
- 椎間板ヘルニア(4)
- 坐骨神経痛 梨状筋症候群(1)
- 腰部脊柱管狭窄症(3)
- 腰椎分離症(4)
- 変形性股関節症 臼蓋形成不全(1)
- 四十肩・五十肩(8)
- 石灰沈着性腱板炎(1)
- 肩こり 頚肩腕症候群 姿勢不良(1)
- 頚椎症性神経根症(1)
- 野球肩 野球肘(25)
- リトルリーガーズショルダー(1)
- 腱板損傷(2)
- 胸郭出口症候群(TOS) 野球(1)
- ベネット病変(骨棘)、投球障害肩(1)
- 変形性膝関節症(2)
- オスグッド(1)
- シンスプリント(1)
- 肘内障(1)
- 足底腱膜炎(足底筋膜炎)(1)
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)(2)
- ばね指(1)
- めまい メニエール病 良性発作性頭位めまい症(BPPV)(1)
- 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)(1)
- ジョーンズ骨折(1)
- イズリン病(Iselin、第5中足骨粗面) (1)
- 顎関節脱臼(1)
- 栄養(2)
- 低酸素トレーニング(加圧トレーニング)(2)
- 超音波骨折療法(LIPUS)(2)
- 体外衝撃波(2)
- 立体動態波 ハイボルテージ(1)
- スーパーライザー(2)
- 投球フォーム指導(38)
- パーソナルトレーニング(3)
- コンディショニングスペース(2)
- 酸素カプセル(6)
- トレーナー活動(7)
- 日本超音波骨軟組織学会(JSBM)(25)
- 東海野球傷害研究会(5)
- 健康管理士(3)
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(3)
- 特別施術(5)
- LPST(腰椎・骨盤安定化)プログラム(8)
- 学び(41)
- お役立ち情報(20)
- 野球(12)
- 大学院(6)
- 当院セミナー、勉強会、講師(9)
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午後4:00~8:00
(土曜、日曜午後は7:00まで)
祝祭日施術有り。
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休院日
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白菊町5-10
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