ジュニア世代からトレーニングは必要か?
執筆者 門野隆顕
スポーツをしている子供がいるが、トレーニングをしたほうがいいの?どんなトレーニングが有効なの?もしくはしないほうがいいの?と悩まれている親御さんはきっと多いと思います。
インターネットではいろんな情報があり、結局なにをすべきかよくわからない…
今回はそんな方にぜひ読んでいただきたい内容です。
まず最初にこんなこと聞いたことありませんか?
・身長が伸びなくなる
・体がごつくなってしまう
・ケガしやすくなる
・12歳ぐらいまでやらないほうがいい
結論から言うと今現在これらを証明できる研究はありません!
以前から聞いたことのあるものばかりですが、これらは迷信でジュニア期からのトレーニングはむしろ運動能力の発達には必要なものであるとされています。(ただし適切な負荷で行うこと)
ジュニア期からのトレーニングで期待できる効果
・骨格筋の変化
大人と違い、筋肉を大きくするアナボリックホルモン(筋肉の合成を促すホルモン)というものが少ないためジュニア期にトレーニングしても筋肥大自体が起こりにくいと考えられています。
ジュニア期のトレーニングで起こる筋力とパワーの向上は神経系の改善と考えられます。つまり「筋肉がついた、体がごつくなったことで成長が阻害される」ということは考えにくいです。今でもこれを信じている方は多い気がします…
またトレーニングにより筋肉が肥大しやすい時期があり、効果が見え始めるのが13~15歳ぐらいといわれています。およそ中学~高校に入学する頃に筋肉が大きくなり始めることから、それより前の世代は肥大しにくいと考えられます。
このことからも筋肉が増えたせいで身長が伸びなくなることは考えにくく、他に考えられるとすれば休養不足や栄養の問題が絡んでいるかもしれません。
神経系の能力は12歳ぐらいになるとほぼ成人と同じレベルまで発達するため、この年齢までにトレーニングを行い、神経系の発達を促すことが重要となるためジュニア期からトレーニングは必要性が高いと考えられます。
・パフォーマンスの向上
トレーニングを行うとパフォーマンスが上がりますが、ジュニア世代の場合は筋肉が増えたわけではなく神経系の発達により運動単位の向上、神経伝達速度の向上が起こることでパフォーマンスが上がると考えられます。
まず運動単位とは、簡単に言うと運動神経の命令に対して動く筋肉の量が増えることでより大きな力を発揮できます。
今まで運動神経の命令に対して半分の筋肉しか反応できなかったものが、トレーニングにより8割の筋肉が反応できるようになり、結果発揮できるパワーが向上するということです。
次に神経伝達速度です。ジュニア世代の選手は成人と比べると、最大の筋力が発揮されるまでにかかる時間が遅い傾向にあります。
これをRate of Force Development(RFD)と言います。
ジュニア世代では身体を動かそうと脳から命令が行き、筋肉を動かすまでの時間にわずかなロスが生まれやすく、また最大筋力発揮までの時間もかかってしまうため結果パワーロスとなってしまいます。
ジュニア世代からトレーニングをすることで神経伝達速度やRFDを改善することができ、それにより遅れることなく必要なタイミングでパワーを出せるようになりパフォーマンスにつながります。
・骨の成長を促す
骨を強くしたり、成長を促すためには長軸の刺激が必要とされています。
長軸とは骨に対して縦方向という意味で、立っているときに大腿骨へかかる負荷がイメージしやすいかと思います。
骨の成長は18歳までにピークに達すると言われ、この年齢までに骨への長軸上の刺激を入れることがとても大切です。
近年の研究ではジュニア期に骨への刺激が少なく骨合成のピーク値が低い場合、将来的に骨密度が低くなり、骨折のリスクが高くなるとも言われています。
ちなみに水泳選手は比較的骨密度が低いと言われており、水中だと骨への負荷がかかりにくく、刺激が少ないことが原因だと推測できます。
これらのことからもジュニア期からトレーニングを行うことで、パフォーマンスが向上したり、骨が強くなったり成長が促されるなどメリットが大きいと考えられます。
あまりネガティブなものはなく、ジュニア世代から正しい負荷でトレーニングを行うことはとても重要だと思われます。
当院でも大人からジュニアまで幅広い世代、そして様々な競技のトレーニングを行っています。
それぞれの世代に適したトレーニングがあり、効率よくパフォーマンスアップができるようトレーニングをサポートしています。興味のある方は一度ヤマモト整骨院へお問い合わせください。
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