腱板損傷
執筆者 院長 山本幸治
【腱板損傷】
肩の腱板とは4つの筋(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)の腱で構成されており、肩関節の安定性に大きく寄与しています。
(Thank's Complete Anatomy)
肩関節は狭義には上腕骨頭と肩甲骨の関節窩よりなりボールソケット様の関節をなしています。
(Thank's Complete Anatomy)
肩腱板はいわゆるインナーマッスルと呼ばれるもので肩の求心位を保つのに重要な役割を果たします。
求心位とは骨頭と関節窩(関節の受け皿)が中心でしっかりと適合していることを指します。
しっかりと適合していないと軸ブレを起こし投球時に痛みを発するわけです。
肩の関節はゴルフのボールとティーにもよく例えられたりします。
それだけ不安定だからこそ大きな可動性も有することができ、ボールを投げたりすることもできるのです。
(Thank's canva)
腱板の損傷は肩から転倒したりといった外傷からなることも多いのですが、高齢者などでは退行性変性(老化)で自然に切れてしまっていることもあります。
50歳以上になると4人に1人の割合で程度の差こそあれ腱板損傷を起こしているともいわれます。
スポーツ選手では、特にオーバーヘッドモーションといって肘を肩より上にあげて動作する競技に多く見られます。
野球の投動作、バレーボールのスパイク、テニスのサービスやスマッシュ、バドミントン等々。
(https://www.kanaloco.jp/sports/baseball/baystars/entry-45195.html)
腱板は軟部組織ですのでレントゲンには写りませんが、MRIやエコーでは状態を把握することができます。
このようにこのように腱板が損傷することによって痛みを発したり、求心位を保てなくなることによりスポーツ(オーバーヘッドモーション)時に肩痛が発生します。
大きく断裂したものは腱板の修復術(手術)をしなければ治りませんが、多くのそこまで損傷の度合いが大きくないものでは、物理療法や手技療法、運動療法など我々の施術でも回復が見込める場合も多くあります。
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