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めまい メニエール病 良性発作性頭位めまい症(BPPV)
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めまいと聞くと多くの人がグルグルと視界が回転するような症状をイメージされると思いますが、どのように発症し、どのような経過を辿るのかよくわからないことが多いのではないでしょうか。
また、めまいを経験された方は全く動けなくなったり、ふらついたり、どうしていいかわからず不安になった経験があると思います。
当院でも症状の程度は様々ですがめまいを訴えられる方がいます。中にはすぐに医師に診てもらう必要がある場合もあるので、判断を間違えないようにすることが重要です。
まず、めまいには回転性めまいと非回転性めまいがあります。
回転性めまい
自分の身体が空間に対し、もしくは空間が自分に対して回転している感覚
これがよくイメージされるめまいの症状ではないでしょうか?身体のバランスや加速度などを感知するセンサーである三半規管や耳石器、また電車に乗っているときに風景を目で追うことができたり、頭を傾けても景色が傾かないように働いている前庭神経に障害があると回転性めまいが起こります。
非回転性めまい
空間は回転していないが、クラクラしたりフワフワするなどふらつく状態
これに対して非回転性めまいは身体がふらつく状態を言います。脳神経系、筋骨格系、三半規管に障害があると非回転性めまいが起こります。
基本的にめまいの発作が起きても一定の期間があれば治りますが、なかなかよくならない場合は治療が必要となりなす。
(めまいの種類)
・末梢性めまい
・頸性めまい
・中枢性めまい
・心因性めまい
このなかでも中枢性めまいはすぐ医師に診てもらう必要があるため、見落としてはいけないめまいです。この中枢性めまいを確認するためのテスト(HINTS)があり、これらを否定できた場合めまいにアプローチします。今回HINTSの解説は割愛します。
めまいのなかで圧倒的に多いのが末梢性めまいであり、末梢性めまいは前庭性と内耳性に分かれます。
前庭性
前庭性は良性発作性頭位めまい症(BPPV)といわれるもので、耳の中のセンサーとなる小さい石がなにかの拍子に三半規管に入り込むことでめまいが起きます。めまいの全体の10%~40%を占め、ほとんどは2週間~1か月で症状が収まります。
内耳性
内耳性にメニエール病があります。これは聞き覚えがあるのではないでしょうか?メニエール病の特徴は、20分~12時間の間に2回以上症状が出る、また聴覚症状(難聴、耳鳴り、耳閉塞感)があります。この症状に当てはまらない場合はメニエール病ではない可能性があるので注意が必要です。
多くのめまいはBPPVであり症状は徐々に収まってきますが、なかなか良くならない場合があり、この場合はリハビリが必要となります。
症状によりメニューを決めますが、その一例を紹介します。
視点を固定して顔を動かす動作や、顔を固定して視点を動かす動作、また急に頭を動かされたときに視点や目の動きがどう反応するかなどのトレーニングを行います。
基本的に症状が強くなる動きがそのまま治療となり、気分が悪くなったり辛い動きになりますが、この機能が回復しないことには症状がなかなか変わりません。そして週に2回、1回につき50分のリハビリを2か月続けると改善が見られたとの報告があり、地道にリハビリを続ける必要があります。
なかなか症状が変わらないという方は一度当院にご相談ください。
①五十肩の施術のポイントは血流 スーパーライザー編
執筆者:院長 山本幸治
執筆者 山本幸治
当院では五十肩には血流が大きく関与していると考えています。
そこでこれから3回に分けて当院での血流を良くする施術を紹介してまいります。
五十肩の初期、急性期には非常に強烈な夜間痛が発生することが多くあります。
夜間痛は安眠を妨げ、睡眠不足になることでより一層の症状の悪化も招きます。
以前のブログでもお話ししましたが、夜間痛には自律神経が大きく関与するといわれています。
皆さんがストレスを受けると、自律神経の中の交感神経が興奮し血管を縮めます。血管が縮まると、酸素や栄養素を運ぶ血液の流れが悪くなり、様々な痛みや体の変調を訴えるようになります。
特に副交感神経が優位に立っていないといけない夜間に交感神経が優位に立ってしまうため夜間痛が発生します。
夜間痛の発生時には自律神経のバランスが乱れ、交感神経が過緊張状態となっているといわれています。
そこで当院では四十肩・五十肩の施術において局所の肩の施術と共にスーパーライザー(近赤外線治療器)を活用しています。
交感神経過緊張状態への治療のひとつに星状神経節ブロック療法というものがあります。
この療法は、首にある交感神経節に局所麻酔薬を注入する治療法で、局所麻酔薬で交感神経を遮断することで、頭・首・顔・肩・腕・手・胸・背中への血流を良くし、痛みを和らげる、筋肉の緊張をほぐすなどの効果があるとされており、ペインクリニックで多く行われています。
もちろん我々はお医者さんではありませんから、より直接的な星状神経節ブロックなどは行えません。
星状神経節近傍照射療法という療法があります。
星状神経節近傍照射療法はスーパーライザーで頚部にある星状神経節を照射し交感神経を鎮静化させます。
(星状神経節近傍照射)
ペインクリニックや耳鼻咽喉科でも多く採用されており、こちらの方が体への侵襲は無く、安全性も高いため、ドクターでもこちらの方を多く使用される先生もいらっしゃいます。
当院でも中々改善されなかった急性の五十肩の痛みや夜間痛がこのスーパーライザーの星状神経節近傍照射によって改善されることもしばしば目にいたしております。
写真をみると喉に突き刺され一見怖いように感じるかもしれませんが、作用は非常にマイルドで尚且つ照射中も痛みは無くほとんど何も感じません^^
中々治らない四十肩・五十肩でお悩みの方は、もしかしたら活路が見出せるかもしれませんよ。
是非一度お試しくださいませ。
良い姿勢を保つための“大腰筋”使えてますか?
執筆者:
多くの人が良い姿勢で過ごすことの大切さに気付いていると思いますが、特に腰の痛みで悩んでいる方は十分理解され気を付けていると思います。良い姿勢をイメージすると骨盤が起き上がって背筋がまっすぐ伸び、あごを引いているような感じではないでしょうか?しかしやろうと思ってもなかなかキープできずに気づけば背中が丸まっていたり、お腹が出ているような立ち姿になっていることも多いのではないでしょうか?
この良い姿勢に大きく関与するのが上半身と下半身を唯一つなぐ筋肉の“大腰筋”です。
現代人は長時間のデスクワークや運動不足などにより大腰筋や多裂筋が機能していないケースが多いです。それによりいい姿勢を保つことが出来ず背中や腰が丸まり、背中の筋肉が伸長され続けることで血行不良や筋肉の機能不全になるケースや、反り腰により腰部の筋肉が短縮し続けることで筋肉の動きが悪くなり痛みがなかなか取れない状況になってしまいます。
多裂筋については過去の投稿に詳しく載せているのでこちらも参考にしてみて下さい。
図の矢印で示した筋肉が大腰筋です。隣の骨盤に引っ付いている筋肉は腸骨筋と言い、二つを合わせて腸腰筋と言います。こちらのほうがよく聞く名前かもしれません。
大腰筋の機能は主に大腿を持ち上げたり股関節を安定させる役割ですが、その他にも
・屍体標本とMRI データから大腰筋は姿勢変化にかかわらず腰椎前弯を変化させない機能を持つとしている
・大腰筋は腰椎前弯のコントロールに関係している
このようにいい姿勢(腰椎前弯)を保つ機能があり、この機能が低下することで腰痛に繋がります。
また筋肉の特徴として大腰筋の近位はType1線維(遅筋)が、遠位はTypeⅡ線維(速筋)が優位、近位は姿勢保持に、遠位は股関節運動に関与すると言われています
。これらのことから、近位部の大腰筋は座位でも立位でも生理的腰椎前弯を保持する機能があり、これを機能させることが大切だということになります。
【大腰筋エクササイズ】
背筋を伸ばし、坐骨で座るように骨盤を立てます。
骨盤を立てたまま大腿をお腹に近づけるようにして足を持ち上げます。
大腰筋を鍛えることでいい姿勢を保ち、腰に余計なストレスをかける必要がなくなります。ただ痛みのある場所を治療しても再発することが多く、いかに痛みの出ない体を作るかが重要だと考えています。
参考文献
Juraj arbanas:Fiber type composition of the human psoas major muscle with regard to the level of its origin.Journal of anatomy:2009
岐阜県立岐阜商業高等学校テニス部サポート
執筆者: 門野隆顕
執筆者 門野 隆顕
県岐商テニス部を定期的にサポートさせていただいていますが、3月に第45回全国選抜高校テニス大会があるため、よりパフォーマンスが発揮できるよう臨床栄養医学協会理事でスポーツ栄養士の足立歩さんをお招きして栄養指導をして頂きました。
臨床栄養医学協会|栄養のビジネス化をもっと身近に (eiyoigaku.or.jp)
日々現場でオリンピック選手や国内トップアスリートをサポートされている経験をもとに今からできる食事の改善や補給、遠征先での食事の選び方やおすすめのメニュー、試合当日に気を付けることなど貴重なアドバイスをいただきました。
スマホで県岐商テニス部メンバーの1日の食事データを見ながら、よりよい栄養の取り方を教えていただきました。理想を押し付けるのではなく、選手に寄り添って実践できそうなベターな選択肢を提案していただき、試合に勝つための食事を見直す絶好の機会となりました。
この日は高校の卒業式があり学校内に入れなかったため、写真のようにテニスコート脇の公園で行いました。僕はこの後ろでコンディショニングとトレーニングを行っています。
この日の様子が県立岐阜商業高等学校のホームページにも掲載されていますのでチェックしてみて下さい!
栄養 ミネラルについて
執筆者:院長 山本幸治
執筆者 山本幸治
人のからだは摂ったものでできています。
からだを健康に保つにはやはり摂取するもの(栄養)が大事です。
本日はミネラルの話です。
ミネラルの代表的なものではカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅などがあります。
人のからだの中ではこれらミネラルが微妙なバランスを保つことで健康でいられます。
例えば鉄が不足すると貧血になることはよく知られているかと思いますが、それ以外にも
・めまい
・肩こり
・頭痛
・動悸
・食欲不振
・抑うつ症状
等々の不定愁訴を呈します。
逆に鉄が過剰になると他のミネラルの吸収が阻害され、その結果として鉄の吸収も阻害されてしまいます。
鉄には動物性と食物性があります。
動物性の鉄は「ヘム鉄」、食物性の鉄は「非ヘム鉄」と呼ばれ、吸収率は「ヘム鉄」の方が圧倒的によくなっています。
鉄は小腸で吸収されますが、「ヘム鉄」はタンパク質で包まれているため吸収率(10~20%)がよく、「非ヘム鉄」は吸収率(2~5%)がよくありませんがビタミンCにより吸収が促進されるので一緒に摂るのがおすすめです。
鉄を多く含む食品
<ヘム鉄>
鶏肉
豚肉
牛肉
魚
<非ヘム鉄>
ひじき
ほうれん草
プルーン
鉄は食事量の少ない方や食事バランスの悪い方に不足しがちです。
女性は月経により貧血になりやすく、アスリートなどでは激しい発汗のあとで欠乏しがちになります。
手が後ろに回らない五十肩の特徴的な症状と対策
執筆者:
五十肩になるとほとんどの方が手を後ろに回すことが出来ません。この動作を結滞動作といい、読んで字の如く「背中で着物の帯を結ぶ動き」のことを言います。ズボンの後ろポケットにモノを入れるとき、シートベルトを着けるとき、更衣動作、とくに女性は下着の脱着に苦労するという訴えを多く聞きます。今回は厄介な“結滞動作“のエクササイズをお伝えします。
この結滞動作は炎症期では当然痛みが強いためできませんが、痛みが弱くなる凍結期や解凍期になっても可動域制限は残存することがほとんどです。一旦制限が起こると改善が難しかったり、改善までに長期にわたり治療を継続することが必要になったりします。
これは結滞動作が肩関節の複合動作によって行われており、筋の柔軟性や筋力の発揮が正しく必要分しっかりと発揮されることも必要になるためです。
日常に欠かせない動きである結滞動作を制限されるのは大きなストレスです。なかなか簡単に動きを改善することはできないですが、これから紹介する方法をやってみて下さい。
結滞動作で問題となるのは肩関節の内旋運動と肩甲骨の下方回旋運動です。
(肩関節内旋制限)
肩関節の内旋制限は、肩甲骨後面に付着する棘下筋や小円筋が主な制限因子とも言われています。筋肉の滑走性や脂肪体という筋肉を動きやすくするクッション材との癒着により動きが悪くなっているため、少しずつ動かすトレーニングを行います。
棘下筋・小円筋トレ
うつぶせでベッドに上半身と腕をつけます。肘を曲げ、写真のように肘を支点に前腕を浮かせるようにして外旋運動を行います。困難であれば、座位で行うなど挙上角度を下げて行うと行いやすくなります。
(肩甲骨下方回旋)
肩甲骨の下方回旋の制限は、僧帽筋上部線維や鍵鏡と言われる左右の僧帽筋をつなぐ役割をする組織が制限になります。僧帽筋上部線維の機能を正常にし、下部線維の収縮を促すよう動かします。
後方腕組み
片方の腕を後内側へ引っ張るように伸展・内転させていきます。痛みが強い場合は手首を持ったり、体の前方で行います。僧帽筋上部線維、棘下筋のストレッチ、肩甲骨下方回旋の誘導を行います。
背中丸め
手の甲を腰に当て、体を前へ倒しながら肘を前方へ突き出すようにしてストレッチングを行います。棘上筋、棘下筋、菱形筋群のストレッチングとして行います。
最初は痛みが強い場合もあるので、できる範囲で無理の無いよう行ってください。五十肩でお悩みの方は一度ヤマモト整骨院までお問い合わせください。
腰痛と呼吸
執筆者:院長 山本幸治
執筆者 山本幸治
普通一般的には呼吸が腰痛に関係あると考える人は少ないのではないでしょうか?
しかし腰痛患者の呼吸は浅くて早く、横隔膜の上下動も乏しいという報告があります。
下の図は人間の体を輪切りにして、横隔膜を下方から覗き上げるようにしてみた図です。
そのため腰痛持ちの患者さんは、横隔膜を本来の呼吸筋として使うのではなく、姿勢制御筋として使っているといわれています。
腰痛持ちの患者さんは横隔膜の上下動が少なくなるということは、呼気の際にしっかりと横隔膜がドーム状に上に持ち上がりません。
吸気時のように横隔膜が下がった状態で生活することが多くなり、横隔膜の前方部が不活性、後方部が過剰活性して付着する腰椎を伸展方向に引っ張ってしまいます。
横隔膜が正常な呼吸運動のために使われるのではなく、そのような姿勢の制御に使われてしまうのです。
そのため、呼吸に介入し横隔膜が正常な上下動を伴った働きをすることで、多裂筋、腹横筋の筋肥大が起こるともされています*。
≪参考文献≫
*Barton E. Anderson and Kellie C. Huxel BlivenThe Use of Breathing Exercises in the Treatment of Chronic, Nonspecific Low Back Pain in Journal of Sport Rehabilitation 2017;26(5):452-458.doi: 10.1123/jsr.2015-0199.
見逃されがちなオーバートレーニング症候群
執筆者: 門野隆顕
執筆者 門野隆顕
現在高校のテニス部をサポートしていますが、少し前に選手から「最近やる気が出ない」や「練習に体がついてこない」などの訴えがありました。周りから見ても体が重く、いつもの動きには程遠いパフォーマンスでした。
この選手は普段から真面目で真剣に練習するタイプだったので、その時の気分や体力不足でないことは明らかでした。
話を聞くと試合に向けて練習量を増やし、いつもより強い相手と打ち合っているとのことでオーバートレーニング状態であることが予想できました。この選手には練習量を見直すことやリラックスできることを優先的に行うようにしっかり説明して、連絡を取り合いながら数週間でいつもの状態に復帰しました。
このケースのように真面目で真剣に取り組もうとする選手ほどオーバートレーニングには気を付けなければいけないと改めて感じました。身近にオーバートレーニング症候群のような選手がいれば、今回のブログを参考にしてみて下さい。
「オーバートレーニング症候群とは?」
スポーツなどによって生じた生理的な疲労が十分に回復しないまま積み重なって引き起こされる慢性疲労状態のことを言います。
人間は、身体的、精神的ストレスを受けて一時的にパフォーマンスが下がってオーバートレーニングのような状態になったとしても、その後すぐに回復する場合や、回復していく過程で以前よりもパフォーマンスが向上する場合がみられます。
この場合、前者を非機能的オーバーリーチング、後者を機能的オーバーリーチングと呼ぶことがあります。
パフォーマンス向上を狙ってトレーニング量を増やし、一時的にパフォーマンス低下を伴う機能的オーバーリーチングは、その選手が大きくパフォーマンスを引き上げていく過程で必要な現象であるとも言えます。
それでは、どんな場合にオーバートレーニング症候群が生じてしまうのでしょうか?
オーバートレーニング症候群の原因
これが生じる原因は、ストレスの回復に十分な時間がなかったときです。
トレーニング後に十分な回復の時間が与えられないまま、さらにトレーニングを繰り返すと、徐々にパフォーマンスが下がり、最終的にはオーバートレーニング症候群になります。
今回の選手でもまさにこれに当てはまります。試合で勝つために詰め込んで強度の高い練習を行い、回復する時間が与えられないまま繰り返されたことが原因です。
『休んだらすぐ治るでしょ』と思うかもしれませんが、そんな簡単には治りません。オーバートレーニング症候群に一度なると、回復するのに年単位の時間を必要とする可能性もあります。
なぜこんなにも回復に時間がかかるのか?
それは中枢機能の異常によって生じるものだからです。
スポーツで激しく運動を行った時には身体はエネルギーを消費し、筋線維が損傷して、大きな身体的ストレスがかかります。この身体的ストレスに適応するためには、脳が身体に対して、適応する指令を送らなければなりません。
しかし、オーバートレーニング症候群になると、この脳の指令が異常を起こします。
この中枢機能の異常は、「過敏化」と「疲弊」の二段階で生じます。
【中枢機能の過敏化】
身体的ストレスというのは、激しい運動によって、コルチゾールといった興奮性のホルモン物質が分泌されることを指します。
コルチゾールは、心拍数の上昇、血糖値の上昇、筋肉を分解し糖新生を亢進など、激しい運動をする状態に体を持っていくことが運動中の役割になります。
過敏化の段階では、この身体的ストレスが過敏となるため、興奮性のストレスホルモンが異常に分泌されるようになります。
これは、運動中だけでなく、運動をやめても継続して分泌されるため、日常生活にも支障をきたします。
そのため、以下のような症状が出現してしまいます。
〈身体的症状〉
・少しの運動で異常に心拍数が上がるようになる。
・疲労の回復が遅くなり、慢性的に疲労が取れなくなる。
〈心理的症状〉
・寝付けない、よく眠れない、起床後に眠気が取れない等の睡眠障害
・意欲の低下や無力感などのうつ病やストレス障害
・集中力や注意力などの認知機能の低下
しかし、この段階であれば、先程説明した非機能的オーバーリーチングの状態であり、数週間〜数ヶ月程度の安静休養によって回復できると言われています。
【中枢機能の疲弊】
過敏化の状態からさらに進んだ状態が、中枢機能の疲弊です。
この段階では、身体的ストレスに対して中枢機能の反応が弱くなり、適応が弱まって、最悪の場合は起きないという状態に至ります。
つまり、身体が疲労しても、脳が回復しようとしないということです。
これが、オーバートレーニング症候群の状態であり、オーバートレーニング症候群になると年単位の回復期間が必要になる最大の理由です。
症状は、身体的症状・心理的症状とも非機能的オーバーリーチングの段階とほとんど変わりませんが、程度がより大きく生じる可能性が高いと言われています。
もしうつ病のような心理的な自覚症状がみられた場合には、オーバートレーニング症候群を疑いましょう。
今回は、オーバートレーニング症候群について紹介しました。
あまり馴染みがなく、少し休んだら治るという固定概念があるため意外と軽視しがちですが、一度なってしまうと長期間の休養が必要となる非常に怖い疾患なのです。
もし自分や周りの選手の様子がおかしいなと感じたら疑ってみて下さい!
【骨折・脱臼】 スキー場での救護活動
作成者:院長 山本幸治
執筆者 山本幸治
当院では、冬のスキーシーズンになると、日曜日などの休診日にスキー場に行っております。
それはスキーを滑りに行っているわけではなく、パトロール室での救護活動を行っています。
接骨院・整骨院は元々「骨接ぎ・ほねつぎ」とも呼ばれ、骨折・脱臼などのいわゆる”骨をつぐ”応急処置も業務としております。
スキー場では多くの怪我が発生します。
捻挫や打撲もしかりですが、骨折、脱臼などの重傷の怪我も多いときでは一日に十数件発生します。
脱臼は肩関節が多いですが、肘、指なども頻発します。
骨折はコーレス骨折と呼ばれる手首の骨折が一番多くみられ、次いで鎖骨の骨折です。
関節から骨が外れる脱臼の痛みは激甚です。
岐阜県のスキー場には大阪などの関西圏からも多数スキー客来客します。
激痛のまま大阪まで数時間かけて帰るのは非常に気の毒なことです。
しかしそれ以上に時間が経てば経つほど患部周辺の環境は悪くなりますから予後にも影響し、整復できるものは早急に整復してあげた方が良いです。
骨折においても時間が経てば経つほど患部周辺の環境は悪化し、骨折特有のショック症状も出てまいります。
ですから現場では入念に神経血管障害や合併症の有無を判断し、応急処置として整復可能なものは整復いたします。
そうすると痛みはかなり軽くなり予後も良い経過を辿りやすくなります。
その状態で地元の病院まで行っていただきます。
もちろん整復してはいけない状態のものも有り、その場合、それ以上に悪化することを防ぐために厳重に固定を施し、整形外科受診までの応急処置を行います。
そしてその状態を的確に判断することは非常に重要なことです。
我々は現場にエコーを持参し、状態の判断の参考にしています。
骨の状態もしっかり可視化でき、骨折の整復前後をエコーで比較することで、怪我された方の安心にも繋がります。
そのような意味でこの活動は社会的意義があるものと思い、続けてまいりたいとスタッフ一同思っております。
また脱臼においてはいかに痛みを少なく整復するか、骨折においてはいかに元の状態同様にピッタリと整復するかということを絶えず追求し、怪我をされた方ができる限り手術を回避できますよう、社会貢献していきたいと考えています。
なおこの活動は早川接骨院、早川貢先生のご尽力によりこのような機会を頂いており、この場を借りて早川先生に感謝申し上げます。
腰痛と筋発火
執筆者:院長 山本幸治
執筆者 山本幸治
腰痛の方に見られる所見に特定の筋の萎縮や不活性があります1)2)。
良く知られているところでは多裂筋の萎縮や不活性です(腰痛の原因の一つに”多裂筋”)。その他にも腹横筋の萎縮や不活性、発火タイミングの遅延があります3)4)。
また逆に腹直筋や外腹斜筋の過活動も報告されています4)5)。
多裂筋や腹横筋は横隔膜や骨盤底筋群、内腹斜筋なども含めフィードフォワード筋とも呼ばれています。
フィードフォワードとは、ある動作や行為を行おうとした際、事前に予期し行動することを指します。
すなわち、物を取ろうと体を屈めようとしたとき、手足が動くよりも一瞬先にこのフィードフォワード筋が活性します。
それにより腹腔内圧(IAP)が高まり体幹が安定した状態で物を取ることができるわけです。
しかし腰痛の患者さんはこのフィードフォワード機能が働かない、もしくは遅延するといわれています。
そうすると不安定な状態で物を持つことが強いられ腰部に負担が掛かり障害を起こすわけです。
そしてその腰部への負担の繰り返しが椎間板を摩耗させ、腰椎椎間板ヘルニアを惹起したり、椎間孔を狭くし坐骨神経痛を誘発したりするわけです。
Cholewickiらが行った面白い研究があります6)7)8)。
1. 半坐位の状態の被検者が後方からケーブルで引っ張られます。
2. そうするとバランスを取るために前方の腹筋群が活性し働き抵抗します。
3. 次にケーブルが突然リリースされます。
4. 体が前方へ振られるのを背筋が発火し拮抗し制御します。
これが腰痛持ちの患者さんでは背筋の発火が著しく遅かったと報告されています。
また同時に腹筋の発火停止も遅かったとされています。
腰痛だから発火遅延があるのか、発火遅延があるから腰痛となるのかは議論の余地があるところですが、いずれにしても筋の協調不全は明確です。
当院でも表面筋電計やエコーを用いて筋収縮不全を評価し、エクササイズによりその正常化を試みています。
術者はエコーで腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋の収縮動態やフィードフォワードを確認。表面筋電計で多裂筋の筋活動をモニター。
患者さんもエコー画像をモニターすることによってバイオフィードバックがなされ筋収縮をイメージすることができます。
(エクササイズ一例)
【参考文献】
1)Fortin M, Rizk A, Frenette S, Boily M, Rivaz H. Ultrasonography of multifidus muscle morphology and function in ice hockey players with and without low back pain. Phys Ther Sport. 2019;37:77-85. doi: 10.1016/j.ptsp.2019.03.004.
2)Yang HS. Difference of the thickness and activation of trunk muscles during static stoop lift at different loads between subjects with and without low back pain. J Back Musculoskelet Rehabil. 2018;31(3):481-488. doi: 10.3233/BMR-17093.
3)Suehiro T, Ishida H, Kobara K, Osaka H, Watanabe S. Altered trunk muscle recruitment patterns during lifting in individuals in remission from recurrent low back pain. J Electromyogr Kinesiol.2018;39:128-133.doi:10.1016/j.jelekin.2018.02.008.
4)Ehsani F, Arab AM, Jaberzadeh S, Salavati M. Ultrasound measurement of deep and superficial abdominal muscles thickness during standing postural tasks in participants with and without chronic low back pain. Man Ther. 2016;23:98-105. doi: 10.1016/j.math.2016.01.003.
5)Arab AM, Shanbehzadeh S, Rasouli O, Amiri M, Ehsani F. Automatic activity of deep and superficial abdominal muscles during stable and unstable sitting positions in individuals with chronic low back pain. J Bodyw Mov Ther. 2018;22(3):627-631. doi: 10.1016/j.jbmt.2017.10.009.
6) Cholewicki J, Greene HS, Polzhofer GK, Galloway MT, Shah RA, Radebold A. Neuromuscular function in athletes following recovery from a recent acute low back injury. J Orthop Sports Phys Ther. 2002;32(11):568-575.
7)Radebold A, Cholewicki J, Panjabi MM, Patel TC. Muscle response pattern to sudden trunk loading in healthy individuals and in patients with chronic low back pain. Spine. 2000;25(8):947-954.
8)Cholewicki J, Silfies SP, Shah RA, et al. Delayed trunk muscle reflex responses increase the risk of low back injuries. Spine. 2005;30(23):2614-2620.
ブログ・目次
- 腰痛(6)
- 椎間板ヘルニア(4)
- 坐骨神経痛 梨状筋症候群(1)
- 腰部脊柱管狭窄症(3)
- 腰椎分離症(4)
- 変形性股関節症 臼蓋形成不全(1)
- 四十肩・五十肩(8)
- 石灰沈着性腱板炎(1)
- 肩こり 頚肩腕症候群 姿勢不良(1)
- 頚椎症性神経根症(1)
- 野球肩 野球肘(25)
- リトルリーガーズショルダー(1)
- 腱板損傷(2)
- 胸郭出口症候群(TOS) 野球(1)
- ベネット病変(骨棘)、投球障害肩(1)
- 変形性膝関節症(2)
- オスグッド(1)
- シンスプリント(1)
- 肘内障(1)
- 足底腱膜炎(足底筋膜炎)(1)
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)(2)
- ばね指(1)
- めまい メニエール病 良性発作性頭位めまい症(BPPV)(1)
- 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)(1)
- ジョーンズ骨折(1)
- イズリン病(Iselin、第5中足骨粗面) (1)
- 顎関節脱臼(1)
- 栄養(2)
- 低酸素トレーニング(加圧トレーニング)(2)
- 超音波骨折療法(LIPUS)(2)
- 体外衝撃波(2)
- 立体動態波 ハイボルテージ(1)
- スーパーライザー(2)
- 投球フォーム指導(38)
- パーソナルトレーニング(3)
- コンディショニングスペース(2)
- 酸素カプセル(6)
- トレーナー活動(7)
- 日本超音波骨軟組織学会(JSBM)(25)
- 東海野球傷害研究会(5)
- 健康管理士(3)
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(3)
- 特別施術(5)
- LPST(腰椎・骨盤安定化)プログラム(8)
- 学び(41)
- お役立ち情報(20)
- 野球(12)
- 大学院(6)
- 当院セミナー、勉強会、講師(9)
受付・施術時間 (予約制)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前 | ○ | ○ | - | ○ | ○ | ○ | - |
午後 | ○ | ○ | - | ○ | ○ | ○ | - |
午前9:00~12:00
午後4:00~8:00
(土曜、日曜午後は7:00まで)
祝祭日施術有り。
(大型連休を除く)
休院日
水曜・日曜
*急患の場合はこの限りではありません。お電話して下さい。
所在地
〒502-0909岐阜県岐阜市
白菊町5-10
駐車場あり
058-297-1779